…キーンコーンカーンコーン…
その時、予鈴が鳴り響いた。
「やべぇ、授業始まる!戻るぞ歩人!」
龍が慌てて、身を翻し校舎に戻ろうとした。
だが、俺はその龍の腕を掴んだ。
「…まぁいいじゃねぇか一限くらい。ちょっと話そう」
「何を話すんだよ!放課後でもいいだろ!」
正論だが、俺は言った。
「…俺は今、話したいんだ」
──風が強く吹いた。
俺の言葉に、授業に向かおうとする龍の力が消えた。
「…しょうがねぇな」
そう言って龍は近くのベンチに座った。
俺も龍の隣りに腰を下ろす。
「…しかし、お前ヤンキーみてぇだな。授業サボるなんてよ」
笑いながら龍が言う。
確かに…初めてかも知れない。
小、中も真面目に(遅刻はしたが)学校に通い真面目に過ごしていた。
そんな俺の初めてのサボタージュ。そう考えるとさすがにマズい気がしてくる。
しかしなぜか安心感があるのは、コイツと一緒だからだろうな。ヤンキーのコイツと。
不謹慎だが、俺は龍の横顔にそう思っていた。

