──風が強く吹いている。
学校の中から屋上に出ると、視界が一気に開けた。
だが、天候は曇りだった。
雨が降りそうだが降らない。重たい曇が重なり合い、太陽の出る隙間をなくしてる感じ。暗雲とは言わないが、夏休み目前に控える今には、相応しくない天候だ。
…まるで今の俺の心の状態を現してるようだと、どこかの漫画とかドラマのような台詞が浮かんだ。
「こんな所まで来て…一体なんだよ?」
その言葉に振り返る。
怪訝そうに龍がこちらを見ていた。
「…こぐバ…ウホンッ。…告白は、どうだったんだ?」
焦りから言葉を噛み、咳払いしてもう一度尋ねた。
ドクンドクン…。さっきから心臓が高鳴っていたが、この質問により心拍数がさらに高まる。
「あぁ~、その事か!実はな……」
龍が言葉を溜めて話す。
ドクンドクン!心臓の高鳴りがピークを迎える。
溜めて話す龍が憎らしくなる。
早く言ってくれ!
「……できなかった!」
微笑を携えて龍が言う。
…は?
「愛美ちゃんを前にするとな、ど~も足がブルっちまって。こんなのは初めてだ」
龍は困惑顔に変わって、自分の足をパンパンと叩いた。

