…なにも言えなかった。
龍の後ろ姿に、茫然と立ち尽くす俺。
――このまま、黙って見ているしかないのだろうか。
龍と愛美が恋人同士になるのを見守るのか…?
自分の気持ちに蓋をして、二人を祝福するのか…?
…できない。できる訳がない。
だからといって、俺がそこに介入する、なんてのは……。
じゃあどうするんだ、となった時、またさっきの疑問がやってくる。堂々巡りだ。
時間が止まってほしいと思った。
今時間を止められれば、問題の時間を先送りにできる。もう少し、考えるゆとりが欲しい。
だが、龍の告白の時刻は刻々と迫ってくる。時間は非情だ。
…結局、どうしたらいいのか、なんの決断もないまま、カウントダウンは当日を示した。

