ヤンキーと俺と恋と




だが、あるとわかった今回も見に行く価値はないのだから行く必要はない。


だけど今回は愛美に言われたから、仕方なく……




…やめ。


本当は多少見たい気持ちがある。


貼り出されるのは総合点30位までと八教科別の高得点者ベスト10が発表される。なかなか規模が大きい。

それだけの人が載る訳だ。

もしかしたら自分も…と思ってしまうのは決して自惚れではないはずだ。



「…そうだな。行ってみよう」



そこでチャイムが鳴った。

それと同時に二限目の先生が入ってくる。


んじゃあ、と後ろに戻る葉。



やべー教科書忘れたーと言う声が後ろの方の席から聞こえてくる。


フフ…バカめ…


と思っていると、この授業に必要な教科書が見当たらない。

あれ?と思い、鞄の中も探るが結果は同じ。

もしかしたら、探してる教科書は家でお寝んねか?

やば…と思いながら再度机の中を探ってると、小さな笑い声が聞こえ、チラリを後ろを見る。


後ろの席では、葉が自分の教科書をこれ見よがしに机の端に寄せていた。笑いをこらえながら。