とりあえず愛美ちゃんの下駄箱を見に行くぞ!と冴島がまたストーカーまがいの発言をしたが、俺は何も言わずに、昇降口へと歩く冴島についていった。


すると、そこにタイミング良く(?)愛美が校舎から出て来るのが俺達の目に入った。


俺達は体育館の陰に隠れて、愛美の様子を見ていた。



「よ、よし…。行ってくるぜ…!」



冴島はスッと立ち上がる。

え、いや今!?



「お、おい、いきなりかよ!なんて話しかける気だ?」

「……」



…ダメだ。
聞こえてねぇ。
緊張してんのか頭の中でシュミレーションしてんのか。

いや、その両方かな。




「っうおおおおおおおお!!!!」

「!!?」



ビックリして冴島を見る、が冴島はそこにはおらず、雄叫びをあげながら愛美の方へと走っていく後ろ姿だけが見えた。


「…アイツ…何考えてんだ?」


俺は呆然とその後ろ姿を見送った。