答えを待つ時間が、すごく長く感じた。
少し考える素振りを見せた後、愛美は顔色を変える事なく答えた。
『…別に、いいよ』
愛美が静かに溢した。
『歩人がそれを不快に思ってないんなら、いいよ』
再び、安堵感が到来する。
『マジ!?不快になんて思う訳ねぇよ!ありがとう!』
やり直すと言っても、あの頃と今では感じる事は大分違う。
俺は、恐かった。
愛美と今ここで別れると、学校でだけしか会えない存在となってしまうんじゃないか、と恐れてた。
だから、愛美との接点が学校だけ、となるのは避けたかった。
それが、愛美に頼んだ本当の理由。

