ヤンキーと俺と恋と




──…最初からやり直さない?

愛美はそう言った。
それにより、俺の心には確かな安堵感が広がる。それと共に、一種の複雑な感情が降り混ざったような、そんな感覚を抱いた。


…だがそれらを上回る、"期待"があった。



『──なぁ愛美。もしよかったら、なんだけど…』

『なに?』



俺は期待を膨らませたまま、言った。



『あの…また、来てくれないか?』



言った途端、思い出したかのように恥ずかしさが込み上げてきた。



『…どこに?』

『その……俺の家に』

『…え?』



どういう事?と愛美の顔が聞いてくる。少し不信気な顔。

…あ!言い方がまずい!変な誤解が生まれる!

そう思った俺は慌てて弁解する。



『いやいや!変な意味じゃねぇよ?ほら、前愛美起こしに来てくれてたろ?あれ、かなり助かってたんだよ。だから、また起こしに来てくれたら嬉しいな~…と…』



後半は愛美の顔色を窺いつつ言った。



──…全てをやり直すなら…最初からやり直すんなら…

これもやり直さないか?

愛美が、朝起こしに来てくれてた事も――