ヤンキーと俺と恋と


教室に入る前と同じく、重い足取りで体育館裏へと向かう。冴島との待ち合わせの場所だ。


角を曲がるとうんこ座りでタバコをふかしている冴島が視界に入る。


学校でタバコ吸ってんじゃねぇよ。っていうか未成年は喫煙しちゃダメなんだぞ!



ゆっくりと冴島の方に歩み寄る。


「…おまた」

「おせぇ!!」


ゴツン!


「いってぇぇぇ!!」

「テメェ何時間待たせる気だこの野郎!もっと急いでこいや!」


理不尽な理由で冴島にまたも頭を殴られる。


「仕方ねぇだろ!これでも終礼終わってすぐ来たんだよ!」

「知るか!こちとら学校行ってねんだよ!…ちっ、とりあえず座れや」


それこそ知るかーー!!
自分の責任じゃねぇか!


と、口には出さず、渋々冴島の前に腰を下ろす。冴島はタバコを地面に押し付け火を消し、持っていた携帯灰皿に吸い殻を入れた。


マナーがいいんだか悪いんだかわからねぇな。