それに気付いていなかった…いや、きっと本当は気付いていたが、気付いていないフリをしてた。
俺はそんな感情を無理矢理隠してた。意識してないつもりでいたんだ。
…だけど、周りの皆はそれに気付いてた。
今思うと、葉が言葉を濁してた時が何回もあった。毎回不思議だったんだが、今ならわかる。
葉は気付いてた。
そして…
向かいに座るユキに目をやる。
──ユキも気付いてて、あんな態度を取っていたのかな。
多分…いや、絶対そうだ。
窓の外に目をやっていたユキが、俺の視線に気付いたのか俺の方を向いて言ってきた。
「どうしたの?高いとこだから気分悪くなった?」
心配してくるユキ。
「…いや……」
ユキの本当に心配している顔を見て、思わず少し苦笑する。ユキは…色んな意味で、優しいな。
ユキと葉の優しさが、改めて伝わった。
──…でも何でだろう。
今までのユキは、俺と愛美との仲を取り持つような存在だったのに、今日はそんな気配が全くない。急に湧いた疑問。
それをなんとなくユキに聞いた。

