…それを見て、萎んでしまっていた──諦めかけていた気持ちに、うっすらと火が灯る。
…いや、俺が本気を出したらこんなもんじゃない!せっかく遊園地に来たんだ!絶対楽しい思い出を作ってやる!
その火は、業火へと変貌した。
「中村くん手が止まってるよ~。そんなんじゃ魚、餌に食い付かないよ~」
「…いや、食い付かなくていい」
「え?」
「ユキ!でよう!」
「え?ちょっと中村くん?」
俺はユキの手を引き、釣り堀から出た。
…そして、そこから戦いは始まった。
俺の全存在を掛けて、アトラクションに乗ってやる!
それまでの気持ちとは段違いで、色んな所を駆け回った。まさに東奔西走、南船北馬に。
自分勝手に園内を走り回った。一緒になって引き摺り回されてるユキをお構い無しに。

