「…お願いです。処分を取り消してください!」
愛美に一番驚いていたのは、おそらく自分だろうと思う。
梅雨時期に入ってから、愛美とは顔を合わせてなかった。だが、急に出て来たと思ったら俺たちを救ってくれる?
理解できない何でだ!?
「そうなんですか?それは知りませんでした」
調子を取り戻した校長がそう答える。その様子には意外、という気持ちが混じっているように感じた。
「…しかし、もう退学となってしまった者を救うわけにはいきません」
それでも校長は受け入れなかった。そう答える義務があるような、そんな強さが感じられた。

