混乱はまだ収まらない。教頭も同じような顔をしている。 「冴島君の処分を取り下げてください!」 また頭を下げた愛美に、俺と龍は顔を見合わせ疑問符を浮かべていた。 全然理解出来ない。何で愛美がその話を出すんだ? 「冴島君は私を救うためにあんな事になったんです!」 「救うため…とは?」 校長が質問する。もう落ち着きは取り戻したみたいだ。 「私は不良達に捕まってしまいました。それをこの二人が助けてくれたんです」 頭を上げ、俺と龍に目を配らせる。