「──りゅ…冴島君が退学するのは納得できません!お願いです!取り消してください!」
俺は頭を下げた。どうしても龍が退学になるなんて納得出来なかった。
校長は腰を下ろして言った。
「そう言われましてもねぇ。決まった事は変えられません。示しが付かなくなってしまいますしね」
校長は頑として受け付けなかった。俺は顔を上げて校長の真正面に立ち上がった。
「今回は仕方ないです。暴力を震ってしまいましたからね。でも前回は違います!暴力もありましたが、あれは相手が悪かったからです!正当な理由でしょう!」
一気にまくし立てる。が、校長が何か変わる様子は見られなかった。
「それは前に言ったでしょう。先生に言うべきだって。何のために先生がいると思ってるんですか?」
校長のその言葉に、俺は黙るしかなかった。確かに言っていた。それを考えると何も出てこなかった。
「言い訳は通用しません。冴島君は退学にします」
校長がそう言い放つと、その場の雰囲気がガラリと変わった。
俺は…何も出来ない。それだけはわかった。
龍は俯いたまま、その言葉を聞いていた。変わらずに、その事を受け止めている。
俺は焦っていた。何も出来ない自分に、焦燥感が募っていた。
──退学になって、それで終わり…
…納得できるはずない!終わりになんて、絶対したくない!
俺が黙ったまま考えていると…
「待ってください!!」
という声が響きわたった。

