「冴島君も中村君も一体何を考えているんですか?夏休みが始まろうとしているのに」
教頭が一つため息をついて言う。
「中村君は一回目だからいいものの、冴島君はもう三回目ですよ?私言いましたよね?次に問題を起こしたら退学、って」
教頭はそう言って手を組んだ。
「はい…言いましたね。その通りだと思います」
「…正しい言葉遣いです。言葉遣いはあってるのになぁ…なんで校則を守らないんだろ」
教頭は悩むように頭を掻いた。…迷っているみたいだ。なんとかうまく言いくるめられないかな…。
…そう思っていると、今まで黙っていた口が開いた。
「…とにかく」
迷っている教頭ではなく、校長からその言葉が発せられた。

