ホームルームが終わり、生徒が三々五々帰宅し始めた頃、なんだなが俺に近づき静かにそう言った。
待っていてくれた葉も、俺の肩を軽く叩き、教室から出て行った。
「…はい」
葉を横目で見送り、なんだなに返事をする。
放課後の職員室へと続く廊下に、二人分の足音のみが響く。
近づくにつれ、鼓動がどんどん早まる。最早考えてきたことなど全て真っ白になっていた。
なんだなは俺の心情を察しているのか、話しかけてくることはなかった。
職員室につくと、中に入るよう促され、ドアの入り口付近で待つように言われた。
龍はまだきてないらしい。

