ロビーで二人してそわそわしていると、奥の方から警官と話しを終えたのか、先生が姿を現した。
先生はなんだなと生活指導の先生だ。生活指導の先生はなにやら警官とまだ話をしていて、なんだなだけが俺たちの方へと近寄ってきた。
般若のような顔で怒られるのだろうと緊張していたが、なんだなはむしろ柔和な笑みを浮かべながら、俺たちの前へ来た。
「──…中村、冴島。…あぁ〜酷いケガなんだな。大丈夫なんだな?」
なんだなは俺たちの顔を見比べ、いつもの口調で心配そうに第一声を発した。
その言葉で、俺はなにか日常に戻ってきたような、ふわっとした安堵感を感じた。張り詰めていた緊張感が溶け、体中の力が抜ける。
真っ先に俺たちのケガを心配してくれるなんだなは、生徒想いのいい教師なのかもしれない。

