「…まぁ、色々話したい事もあるだろうし、私は外に出てるよ。近くにいるから終わったら一声かけてくれ」
そう言い残し、秋本さんは部屋を後にした。
…静かな殺風景の空間に、俺と龍の二人だけが残った。
「……よぉ。…ははっ…酷ぇケガだな」
多少の気まずさがあったが、龍はその雰囲気を崩すように、少し笑いながら言った。
「…お前もなかなか痛々しい顔してるぞ」
「お前よりマシだよ」
そう言って二人で笑い合う。
こうやって二人だけで話すのは、随分久しぶりのような気がした。
「……悪かったな。こんな事に巻き込んじまって……」
笑いが収まった後、龍は俯き加減で、静かにそう言ってきた。

