──その後、目を覚ました俺に、秋本と名乗る警官がいくつか質問をしてきた。
取り調べを受けているみたいで変な緊張感があったが、秋本さんが割と若く歳も近い警察官だという事もあってか俺の緊張を察してくれたようで、形式上必要なだけだから、と柔らかく接してくれたおかげで、普通の談話のようにその時間は過ぎた。
そして俺の方にもいくつか聞きたい事があった。
──あの後どうなったのか…
不良達はどうしたのか…
龍とタクマは…──
それらの質問に、秋本さんは一つ一つ丁寧に答えてくれた。
「…あの場で何人かは逃げて行ったが、多数は今別の場所で事情聴取を受けてる。まぁ一応傷害が付くから全員補導するつもりだ。真田(タクマの苗字らしい)は冴島と酷い殴り合いしてたからそれなりにケガはしてるな。最近の高校生は限度ってモンを知らないよなぁ」
感心してるのか嘆いているのかわからない口調で、秋本さんは呟くように言った。

