血だらけになりながらも、二人は思いをぶつけ合うように殴り合っていた。



壮絶な殴り合いに、周りの不良たちは呆然とその様子をみているだけだった。




そんな二人の表情には、怒りや憎しみというよりも、過去のしがらみを断ち切ったような、そんな解放感を浮かべているように俺には感じられた。









──…間もなく、パトカーのサイレンが耳に入る。





俺は薄れゆく意識の中、逃げてゆく不良たちと、パトカーの音も気にせず殴り合う龍とタクマの姿を確認した。







「──なにをしてるっ!!」







警官が数人工場内に入ってきた所を最後に、俺の意識は暗幕が降りるように途切れた────……












第6部 完