「…で、愛美ちゃんは誰か好きな人とかいるのかよ?」
「…は?」
話が突拍子過ぎて見えない。
いきなり何ぬかしてんだコイツ。
「だから!愛美ちゃんは好きな人とかいるのかって聞いてんだ!」
冴島は声を荒げて聞いてくる。
何必死になってんだ?
はっ…
…も、もしかして…
「…もしかして、愛美の事好きなのか?」
突然、冴島の顔がゆでたこのように真っ赤になる。まるで髪の色と同化してるみたいだ。
ははーん、こりゃ図星だな?
「好きなんだ?」
「…お、おおよ!一目惚れだよ!文句あっか!」
赤くなって取り乱している冴島。コイツにもこんな一面があるとは。意外だ。
「あ、じゃあもしかして停学になっても学校来てたのは愛美を見るため?」
「…そ、そうだよ!わりぃかよ」
なるほど、それで放課後に校門の前にいたり、朝早く来てたりしてたのか。
それで愛美と一緒にいた俺を呼び出した、と。そういう事か。なかなかウブな奴だ。

