ヤンキーと俺と恋と





「……俺にとって、ここにいる愛美ちゃんや歩人は、俺にそういう事を気づかせてくれた大切な存在なんだ」





表情に鋭さを含め、冴島はタクマに振り返る。





「…お前のウサ晴らしで俺に何をしたって構わねぇ。



…だが俺の好きな人や……親友を傷付ける事だけは絶対に許さねぇ…!」







大きさはないのに、その言葉は強さを帯び、工場内に響き渡る。





──俺は、中で何かが外れたのを感じた。


ずっと引っかかっていたモノが、静かに外れていく。






…そして工場内は元の静けさを取り戻していた。





聞こえるのは、屋根を打つ雨音のみ。








「……ハッ…」







しきりに屋根を叩く雨音と共に、工場内にいた一人が声を上げた。






「…ハハッ!ハハハハハハハハハッ!!!!」







雨音をかき消すように、タクマは大声で笑っていた。