薄暗い工場の開け放たれた入口から、長い影が伸びる。 その影の先には、自慢の赤いリーゼントが雨で完全に下り、全身から水が滴り落ちている冴島の姿があった。 「……さ…え……?」 痛みからか驚愕からか、俺はうまく言葉を発する事ができない。 「……おせぇじゃねぇか。冴島ぁ…」 静寂を破るようにタクマが言う。 しかしそれには応えず、冴島は息を切らしながら辺りを見回していた。