「…くっ!」
ガキン!
鉄とコンクリートがぶつかる音が聞こえる。
俺は咄嗟に体を転がし、寸前で鉄パイプをかわしていた。
「ってぇ〜…振り下ろすとあぶねぇな…コンクリに当たって手がいてぇ」
デブは片手をプラプラさせながら、ギロリと俺に目をやる。俺は素早くに立ち上がり、態勢を整える。
「…横振りだな…バットのスイングと同じだぁ…」
鉄パイプをコンクリートにこすりつけ、ガリガリと音を立てながらデブは俺へと近付く。
「死ねぇっ!!」
横振りのスイング。
…だめだ!避けれない!
反射的に俺は迫り来る鉄パイプに手を出した。
ガンッという音と共に、俺の掌に鋭い痛みが走る。
「歩人っ!!」
「バカがっ!」
ガシッ!
──…痛みに気を取られていた。
避ける暇もなく、デブの左手が素早く俺の胸倉を捉えていた。

