「…じゃ、始めっか。最初は誰がいく?」 タクマのその言葉に、ハイハーイと不良達はふざけるように挙手をしている。 「タクマ…俺にやらせてくれよ」 震える声でそう言ったのは、さっきのデブだった。 「どうした?」 「俺殴られたんだぜ?10倍にして返さねぇと気が済まねぇ」 デブは横目で俺を見ながら言った。 「……ま、いんじゃねぇの?」 「ありがとよ」 ニヤリと笑い、デブが俺に近付いてくる。