ヤンキーと俺と恋と


そうこうくだらないやり取りしてる間に、もう目の前に校舎が見えた。
いつもより20分は早い。他に登校してる生徒を確認できるのは珍しい光景だ。


「おはよー」

「うぃーっす」

「ぐっもーにんっ」


みんなそれぞれ朝の挨拶を交わしている。うん、素晴らしい。


「愛美〜!!」


と、そこに愛美の友人らしき女の子が後ろから走って来た。


「あっユキ〜!おはよ!」

「おはよ!…あれ?この人は…」


ユキなる女の子が俺の顔をまじまじと見てくる。


「あっ!もしかして愛美のイトコの…中村君?…だっけ?」


その子は首を傾げながら確認するように愛美の方を向いた。


「そうだよ!このぬぼ〜っとしたのがあたしのイトコ!」


愛美がばしっと俺の背中を叩いて言った。


「へぇ〜、よろしくね中村君。あたし、奥谷 ユキ!ユキって呼んで!」

「あ…うん、よろしく」


とりあえず挨拶を交わす。初めて見た女の子なのでおそらく高校入ってできた友達なのだろう。