俺が身構えていると、タクマがデブに向かって宥めるように言った。
「こいつ…調子ん乗りやがってクソ野郎が!!」
「落ち着けって言ってんのが聞こえねぇのか?」
タクマが冷たく言い放つ。
デブはその声にギョッとし、おとなしくなる。
…やっぱりこのタクマって奴がこのグループのリーダー格なのだろう。
俺はその様子を見て確信した。
「…まぁなんだ、イトコ君の気持ちはよくわかる。そりゃあんな姿見たら解放してやりてぇよな。でも俺らだって意味なくこんな事してんじゃねぇ。ちゃんと理由があるんだよ」
ゆっくり歩きながら諭すように話すタクマを俺はずっと見続けた。

