「おいおい誰が近付いていいっつった?」 俺はそいつに目を向ける。 …デカい。髪は茶髪で、鼻やら耳やらにジャラジャラとピアスを付けている。脂肪か筋肉かは知らないが、その太った体躯には威圧感があった。 「欲情したんだろ?縛られてる姿見て」 グヘヘ、と気持ちの悪い音を、醜い口からそいつは吐き出した。 「別にヤってもいいんだぜ?ただコレは付けとけよ」 そう言って、そいつはポケットからなにかを取り出した。 ───…! それを見た瞬間、頭にカッと血が上るのを感じた。 またも笑い声が上がる。