不良達がよけた事で、奥が見えるようになる。
そこには…
…柱に腕を後ろから回すように縛られ、口をガムテープでとめられている愛美の姿が目に入った。
「ごたーいめーーん!」
「ほーら、王女様だぞ?」
不良達は馬鹿笑いしながら、俺を見てくる。
が、俺の視界には入ってなかった。
ガムテープで口を抑えられ喋れないのか、んーんーと籠もった声だけが漏れている。
愛美の眼は俺を見つめていた。
その眼には、恐怖からか涙が溜まっている。
───っ…
それを見た瞬間、俺は今まで感じた事のない感情がこみ上げてくるのがわかった。

