確かに奴らは冴島、と言った。
冴島と一体どんな関係だ…?
あの様子から友達ってワケじゃなさそうだったが…
冴島になんか用があったのか…?
なんで愛美を連れて行く必要があるんだ…?
次々と疑問が浮かんでは消える。そのどれもに解答は出なかった。
色々と考えていると、ポツ…と、腕に滴が落ちるのを感じた。
それを皮切りに、ゆっくりと雨が降ってくる。
「…ハァ……ついてねぇな…」
次第に雨足は強くなり、制服や靴がずぶ濡れになってくる。濡れた制服がべったりと体に纏わりつく。
しかし俺はそれに構わず走りつづけた。