ヤンキーと俺と恋と


小鳥の囀り、ヒラヒラ舞う桜の花びら、真っ青な空。


余裕を持って学校に行くと、なんとすがすがしい気分なのだろうか。今なら車の騒音すら朝の奏でる音楽の一つとして捉えられる。

いつもなら気にも留めない、いや留める余裕もないものが、心にゆとりがあるだけでこうも違うとは。

たったこれだけの事で、今朝の占いはよく当たるな、とも考えてしまう。


「単純な造りでいいよね〜歩人の頭は」


すがすがしい気分に水を差す邪魔者、愛美。愛美はため息を吐きながら、さぞ羨ましそうにいった。


「だから!なんでお前は人の心を読めるんだよ!」

「読めるワケないじゃん。歩人があまりにもわかりやす過ぎるの!」

「ぐっ…」


そんなに顔に出てるのか俺は…
これじゃ俺は表情=心情→同調(シンクロ)男じゃないか!


「や、それはセンスないわ」

「だからぬわぁんでだよっ!」