言いながら、俺は校門の壁伝いに、よろけながらも立ち上がった。
その姿は、葉の目にはとても頼りなく写っただろう。
「…だったら!せめて龍を…」
「冴島はダメだ」
俺は葉にきっぱりと言った。
「…今停学中なのに、また問題起こしたら今度こそ退学だ。それだけは絶対にダメだ」
葉は息を飲む。俺はその様子を見て、穏やかに葉に言った。
「安心しろって。無茶はしねぇから」
「お前が無茶しなくても向こうはわかんねぇだろ!」
…葉はおそらく引かない。孤疑逡巡している様が伝わってくる。
そう思った俺は一つの方法をとる事にした。

