「…ハハハッ!…で?お前はマジで何者なワケ?」
ひとしきり笑い、金髪がもう一度聞いてくる。俺は少し迷ったが、本当の事を言った。
「…その子の…いとこだ」
「イトコぉ!?…ハハッ、そういう関係か!で、そのイトコ君が俺らに何の用?」
憎たらしく、それでいて挑発的な視線を向けながら金髪が言う。
俺は怯まず、逆に睨みつけた。
「愛美を…どこに連れてく気だよ」
「ハッ!なんでおめぇに言わなきゃなんねぇんだ」
「イトコが何様だっつーの」
「自分で考えろバーカ」
不良達は汚い罵声を投げつけてくる。
そんなのはどうでもいい。
俺は相変わらず、愛美を掴む金髪のみを睨みつけた。
コイツが恐らくリーダーだろう。俺は直感的にそう感じていた。

