ヤンキーと俺と恋と




「じゃあねー」

「バイバーイ」



6月も終わりに近づいた頃、俺達の学校には期末テストが待ちかまえていた。



時が進むのは早いもので、高校一年生の生活ももう三分の一が終わろうとしている。



帰りの挨拶が飛び交う中、俺も教科書類を自分のバッグに詰め、帰宅の準備をしていた。



「歩人ぉー。帰るんなら一緒に帰ろーぜー」



同じく帰り支度をしている葉が、後ろから話しかけてくる。



「おー」



テスト週間に入った事で、毎度の如く学校の部活動は休みになっている。



同好会の活動もない俺は、嫌でもまっすぐ家に帰る事を余儀なくされていた。



まぁ前回のテストがボロボロだった分次のテストで挽回しなければならないので、勉強するに越した事はないのだが…



やっぱりそこには何か味気なさがあった。