「…じゃああたしいくから。戸締まりキチンとして出てよ」
「わーかってるっつの。なんせ今日の俺は絶好調だから」
「はいはい。じゃいってきまーす」
小煩い紗代が学校に行き、この家に静けさが戻る。
まだ学校までいく時間にはたっぷりと余裕があり、俺はもう一杯コーヒーを入れに台所へと向かった。
ピンポーン!
チャイムが響く。
誰だよ…こんな朝っぱらから…
あ、紗代がなんか忘れ物かな。
珍しい…
俺はそう思いながら空のコーヒーカップを片手に玄関へと向かう。
「ばっかだなぁ〜忘れ物だろ?まったく誰に似たんだか…」
ガチャリと戸を開けて入って来たのは、俺が思っていた人物とは異なっていた。
「あれ?歩人起きてたの?」
入ってきたのは愛美だった。

