「──…冴島、今自宅謹慎になってるの知ってるか?」
「……」
愛美は目をそらしたまま、黙りこくっている。俺は構わず続けた。
「確かに冴島は暴力を振るったけど、あれはさ…お前のためだったんだ。お前のクラスが体育の授業終わって着替えてるとき、そこを覗いてる奴らがいたんだ。冴島はそれを止めるためにあんな事したんだよ」
愛美の表情は変わらなかった。
「…確かにやり方は間違ってたかもしれない。普通そういうのは先生にいうのが先だ。…だけどさ、お前が覗かれてるのに我慢できなくて、あんな行動に出た冴島の事もわかってやってほしいんだ」

