そこで休み時間終了のチャイムが鳴り響いた。
「…とりあえず俺、昼休みに愛美に会ってくる」
席に座る前に、俺は決心した事を葉に言った。
誰かに伝える事で、揺らがないように──。
「は?な、なんで?」
急に突拍子も無いことを聞いて驚いたのか、葉は座ろうとした体を止めてその場で振り向いてきた。
「…どうしても伝えなきゃならない事があるんだ」
「そ、そっか。…でも気まずくないか?昨日の今日で…」
すごい気まずい。
怒ってはないかもしれないけど、避けられてるのは確かだ。
でも伝えなきゃ今回の事が報われない。
たった一つだけでも、して良かった、と思える事を残したい。
「まぁ何を伝えたいのか知らないけどさ、頑張れよ」
そういって葉は俺の肩をポンと叩いた。
…そして四限目終了のチャイムが鳴る──。

