──…降りしきる梅雨時期の雨の中、俺は一人学校への道のりを走っていた。




完全に遅刻ペースだ。




…これは間に合わないな。




俺は走っていた足を止め、ゆっくりと歩き出した。





……



今朝、愛美はこなかった。



冴島と共に活動してきた同好会の事を話した時の、愛美の哀しげな表情が頭から離れない。



知られたら今までの関係は崩れるだろう、という事は分かっていた。



ただ…いざその時が来ると、想像できたとはいえ、辛かった。




……あんな表情にさせるつもりは…なかった。