──…作戦の実行日は案外早くやってきた。
葉の話を聞いてから二日後、愛美のクラスで体育があり、授業を途中で抜け出した俺と冴島は体育館の渡り廊下付近で待機していた。
「…まだ誰もいないみたいだな」
俺は辺りを見回し呟いた。
「体育まだやってるみてぇだからな。クズ共もタイミングを見計らってんだろ」
体育の授業は基本的に次の授業のため、早めに切り上げて着替えの時間も考慮する事が多い。
しかし愛美のクラスの体育は四限目にあるため、次が昼休みだからかチャイムがなるまで体育を続ける事が多いみたいだ。
つまり覗きの連中は授業終了のチャイム後に狙いを定めてくる可能性が高い。
「…っていうか、今日もやるって断言はできないよな」
「いや、来るハズだ。双眼鏡を用意したりするくらいだから随分前から覗きしてるって事も考えられっからな」
「…なるほど」
…鋭い読みだな。らしくない。
やっぱ愛美がからんでるとコイツは相当マジになるな。

