…話を聞き終えるやいなや、冴島は飛び出していこうとしたので、予想していた俺は咄嗟に冴島の腕を掴んだ。
「──っにすんだ!!離せっ!そいつら確実にコロス!!」
「待てって!誰がやったかまだわかんねぇのにどうする気だよ!また問題起こして停学になる気か!」
「……ぐっ」
とりあえず留まらせる事に成功したが、イライラを表すかのように歯軋りをしている。
「…で、それは誰とかってわかってるのか?」
横目で冴島を警戒しながら葉に尋ねる。
いつまた飛び出すかわからないからな。
「いや、そいつも遠目で見てたからよくわかんなかったらしい。ただ『愛美ちゃ〜ん…グフフ…』って声が聞こえたってよ」
俺はまたも冴島を抑えるハメになった。

