内履きを外履きに履きかえ、外へとでる。すると後ろから誰かが肩を叩いて来た。
「おーっす!歩人!今帰り?」
愛美だった。俺は一瞥をくれたあと無視して歩き出した。
「ちょっとちょっとなに?その態度はないんじゃない?」
愛美は慌てて後ろからついてくる。
「うるせっ!お前のせいで2限目はひどい目に合ったんだよ!」
「…?身に覚えがないんだけど?」
「…お前が……」
いや、よそう。小便が漏れそうだったなんて恥ずかしくて言えたもんじゃない。それにコイツに言うとまた長い事そのネタを引っ張られそうだ。
「あたしがなぁに?」
「…なんでもねぇ。こっちの話」
「ふぅん…」
別にいっか、って感じで愛美はそれで追求をやめた。安心も束の間、俺の頭に新たな疑問が浮かぶ。
「…で、なんでついてきてんだ?」
「や、たまには一緒に帰ろうかなぁって。どうせ家も近いし。あんた見張ってないと寄り道して帰ってこなさそうだし」
「野良猫か俺は!別に寄り道なんてしねぇよ!いつもちゃんと学校きてるだろが!」
「冗談よばーか。さ、帰ろ!」
愛美はそう言って俺の先を歩きだす。コイツは昔からなに考えてるかわからない。
俺は警戒心をむき出しにして後ろからついていった。

