闇と深紅に招かれて~完結編~

カーシーは、余裕の表情のまま、少し身をよけて、それを避けた。

けれど、柱を操っていた杖に枝は当たった。

軽く。

すくなくともそう見えたのに、杖は粉々に砕けた。

カーシーは、まるで穢れたものでも避けるように、そのかけらがあたるのを嫌って、紫水
晶の椅子から立ち上がる。

顔から、表情が消えている。

怒った、か?

ルカは、手が届く距離の、少し手前で立ち止まった。

唇を、笑みにゆがめている。

「あたしの、貴重な時間を、邪魔してくれて、ありがとう」

「時間、だと?」

「そうだよ。あたしには、受験勉強が待っていたんだ」

「ふん。そんなくだらない制限に縛られて、生きているのか」

「そうだ。わかったら、さっさと元に戻してちょうだい」

ニッコリと、言いながら、ルカは、剣を構えた。

「戻すと、思うか?」