闇と深紅に招かれて~完結編~

カーシーは、片手の平を、地面に向けて、スッと身体から離した。

その下の地面が、ボンヤリと揺らめいて、そこに、黒い塊が現われた。

アキヒトだった。

カーシーに、囚われていたのだ。

「動かない」

「残念だが、まだ、生きている。

殺してしまったのでは、面白くないかと思ってね」

「何で、こんなことするの?」

カーシーは表情を変えずに、反対の手をかざして、草原の上に紫水晶で出来た椅子を出現させた。

その上に、優雅に腰を下ろす。

「私が本当に食したいと思っていたのは、エイジュなのだ」

ルカは息を詰まらせた。