そして、そんな場合じゃないと思い出したみたいに、

「そうだった。

逃げてくれ。

オレには確実に追っ手が来る。

それで、今度捕まると、もう、逃げられない」

「でも、ここにだって裁判があったのに。

陥れられたんだって、訴えていくところくらいないの?」

「なくはない。

けれど、相手が悪いんだ。

諮った相手は、カーシーっていう、魔王の一人なのだ」