ハウアが言うと、長さが2メートルくらいの棒のようなものが、ハウアの背後から、ザザーッっと数十本現われた。

棒は、よく見ると、細長く、黒いヒト型だった。

そいつらは同じ動きで走り出すと、手を広げる。

手は下へ向かって溶け出すように広がってゆき、隣の棒とつながると、大きくなって、ルカに襲いかかってきた。


「いや~っ!!」


あまりの異様さに、戦うことも忘れてルカは叫んだ。

一瞬後には、視界を阻まれて。

気がつくと、布のようなものに体を覆われていた。

棒がつながって巨大風呂敷になり、ルカを包んだようだった。

一体どういうことだ!?

訳がわからないでいると、体が浮いた。

ルカは包まれたまま、持ち上げられたようだ。

苦しい。

身動きが取れない。

それに、なんだか、頭の中に霧が入り込んでいくみたいだ。

急速に眠くなって、ルカは眠りに落ちた。