「でもすごい魔力があるんだろ?」
「そんなものは、いらない」
「だって、魔界へ帰ってきて魔王
に戻るために、ボクに連れて帰ら
せたんじゃないか」
ペットショップで、ハムを見つけ
た光景が、なぜかルカに見えた。
ハムの顔には“連れて帰って”と
はっきり書いてある。
「本当だ」
つい、ルカはつぶやいた。
「それは、多少魔力のある、面白
そうな人間だな、とは思った。こ
の子にくっついて行けば魔界に帰
れるかもしれないとも思った。け
ど、魔王に戻りたかった訳じゃな
い。一緒にいてくれる人間がうれ
しくて、自分のために魂を集めて
くれようとするのが嬉しくて、つ
い、それは言えなかったけど」

