「もしかして、 私だと思っているの?」 ルカはうなずいた。 「だって、送られてきたルビーを 手にした瞬間だったよ。 ここに落ちたの。」 冴子はまっすぐに ルカを見ていた。 けれど、 すまなそうな表情で笑うと、 「そう。でも、それは、 間に合わなかったのよ。 ルカをアキヒトから 守りたかったの。 けれど、 ルビーを手に取るのが、 ほんの一瞬、 遅かったのかもしれない。」