ルカはハムを連れて 屋敷を出ようとしていた。 ここへ入ってきたときの扉は 閉じていたけれど、 押すと難なく開いた。 入ってくるものは選ぶけれど、 出てゆくものは拒まないらしい。 外に出て、振り返ると、 肖像画が、 あの時のままにそこにあった。 やっぱり二人ともイメージが違う。 「あのね、ルカ」