三日月<本編>

ただ、拓也の気持ちがわかれへん…


週末があけて学校で会う拓也はやっぱりあんまりしゃべれへん。


ちあきの右手の小指にはリング。


けどなんかテレて、袖を伸ばして隠してた。


いつもの喫煙ルームで、友達との約束まで時間をつぶしてたら拓也が来た。



なんとなく、余計に袖を伸ばすちあき。



「大事なリングしてんの?」


拓也が聞く。
なんか余裕そうに。



「無くしたっ」


目をそらしながら答えると、拓也はちあきの右手小指あたりを袖ごしにつかんだ。


そこにはリングの感触がある。


ふっ とイジワルなような、優しいような笑顔を見せたあと、タバコに火をつけた。