「本当に稼げるんすか?」

「まじっす。俺は新人なんですけど、客はまだ呼べないけどナンパして女とやりまくりっす。ナンバーワンは月、百万は稼いでますよ。ユウタっていいます。よろしくっす」

そう言って、若いイケメンホストのユウタは名刺をくれた。

名刺には、

『クラブ、ディープラブ』

そう書いてあった。

ホストがいなければ俺はナオを殺したりはしなかった。

ホストがいたからナオを殺してしまったのだ。

運命のイタズラ・・・。

そう考えるしかなかった。

「とりあえず、体験入店とかどうですか?」

「一日だけ、試しに働いてみるってことです。ホストのマナーとかドリンクの作り方は教えますし、客席にも着けますよ。スーツも貸しますし給料も出るっすよ」

断る理由はなかった。

「じゃあ体験入店してみていいですか?」

「も、もちろんす。ありがとうございます!今日はもう遅いんで明日の夜とか大丈夫ですか?」

「暇なんで大丈夫です」

携帯番号を交換する。

「じゃ、明日夕方五時にまたここきてください。迎え行きますんで。よろしくお願いします」

そう言い、ユウタは笑顔でお辞儀をして歌舞伎町の奥深くに消えていった。

俺は強大な不思議な力に、引きずり込まれ流されていくような気がしていた。