さっき今までの話はしたし、幼馴染みが誕生日を知らない訳が無いけど。 こうしてワザと誇張するあたり、俺もガキっぽいな・・・ 立ち止まっている先に捉えるのは、何台もの車が構えているガレージだ。 そう…、まさに今日のための“アノ車”も―― 再び前へと向き直って、蘭を誘うように一歩ずつ前進して行く。 薄明かりの中で一層光沢を放っている、ある一台の車まで・・・ 「この車に、一度だけ乗せたよな?」 「っ…、うん・・・」 同調したものの、その車を見た途端に表情が強張った蘭。